ブータンは「世界で一番幸せな国」として、2013年ごろに話題になりました。
じっさい、国連が発表している「世界幸福度ランキング」でブータンは、2013年に発展途上国ながら8位になっています。
発展途上国でありながら、世界150を超える国々の中で8位という結果です。まさしく国民が幸せを感じている国というワケです。
しかし、近年では幸福度は下がり、むしろ最悪な状況なのでは…と懸念する声もでています。
この記事の内容
- 「ブータン」最悪な国になりつつある3つの理由とは!?
- 「ブータン」幸福度が下がった理由は!?
- 「ブータン」どんな国??
光威
目次
「ブータン」最悪な国になりつつある3つの理由とは!?
かつて「世界で一番幸せな国」と言われていたブータンですが、今はそうでもないようです。
「世界幸福度ランキング」で8位をとっていたのも過去の話で、2019年には156カ国中95位に転落、それ以来ランキングにも載らなくなってしまいました。
「幸せの国」にいったいなにが起こっているのでしょうか。
光威
1.薬物・アルコール依存で犯罪率が上昇!?
近年のブータンでは、薬物・アルコール依存の人が増えており、社会問題になっているようです。
じつはブータンは近年まで鎖国しており、外国の文化が入ってこなかったのです。
しかし、1974年に外国の観光客が来るようになり、それと同時に薬物やアルコールも国に入ってきてしまったといわれています。
光威
2.工業化による自然の破壊!?
画像出典元:Newsweek
開国したことによりブータンは近代化していくことになります。
これまでのブータンは自然を大切にし、環境保護を第一にしていました。
しかし、近年では世界の発展に置いて行かれるわけにはいかなくなりました。国家の予算を稼ぐために国をあげて事業をおこなっています。
ブータンで工業化しているのは「パカサ」という都市ですが、「パカサ」は世界の大気汚染の都市ランキングで上位に入ってしまいました。
ブータンといえば美しい自然がウリですが、これには国民も悲しんでいることでしょう。
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3.若者はオーストラリアに移住!?
ブータンは工業化が進んでいますが、そこで雇用が生まれているわけではないようです。
というのも、ブータンは資源的にも経済的にもインドに頼っているようで、労働者もインドから大量に入ってくるようです。
さらにブータンは観光税をこれまでの3倍に引き上げ。これまでは滞在1泊あたり65ドルの税金がかかっていましたが、2022年の9月より1泊当たり200ドルの税金がかかることになりました。
これにより、主要産業である観光も傾いています。こういう事情でブータンの若者には就職先がないのです。
このことからブータンには未来が無いと感じている若者が多く、オーストラリアに移住する人が大量にいるみたいです。
2022年7月から2023年5月の11カ月間で、ブータンからオーストラリア渡る若者は1万2000人を超えたそうです。
これはブータンの総人口の約1.5%にあたるとされます。
一方でオーストラリアも「人手不足の解消になる」とブータンの若者を受け入れているようです。
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「ブータン」幸福度が下がった理由は!?
ブータンの幸福度が下がった理由は「他人との比較をするようになったため」だと言われています。
幸福度が高かったころのブータン国民は、経済的な豊かさよりも精神的な豊かさを感じていたそうです。
人々は口をそろえて「家があり、食べるものがある。家族や仲間がいて、健康に暮らせれば幸せだ」と言っていました。
すでに身の回りにある幸せを感じることが出来ていたのですね。
先にもお伝えしましたが、ブータンは1907年に建国されていらい「自国の文化を守る」という名目でしばらく鎖国していたのです。
ですが、1971年には鎖国を解除。国連に加盟しています。
それ以来ブータンには外国の文化が入り、近年ではインターネットの解禁、スマートフォンの急速な普及がおこりました。
これにより、自国と外国を比べてしまう国民が続出。自分の国が経済的に豊かではないと気付いてしまった人々は幸福を感じにくくなってしまったそうです。。
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「ブータン」どんな国??
「ブータン」はいったいどんな国なのでしょうか…
知らない人も多いと思うので、ざっくり調べてみました。
光威
どこにある??何人くらい住んでる??
引用元:jiji.com
ブータンは南アジアにある国です。北に中国、南にインドがありますね。
国土は3万8400平方キロメートルで、面積はだいたい日本の九州と同じくらいとなります。
人口は約76万人で、日本でいうと高知県民とほぼ同じ人数なんだとか。
光威
王族の人気がすごい!!
画像出典元:ELLE
「ブータン」はかつてより王族が国を仕切っています。
1972年、ブータンは世界ではじめて、国の発展を図る指針として、GNP(国民総生産)ではなくGNH(国民幸福量)というものを導入。
経済的な発展よりも、一人ひとりの幸福を優先する政治をおこなっていました。このことから王族はいまでも国民に好かれているのです。
近年は、国王が全ての中心となる「絶対君主制」から、国民が主体の「立憲民主制」への変更があったそうですが、国民が王を好きすぎてこれに反対運動がおこるほどだったのだとか。
光威
生活に必要なものが無料!!
ブータンでは、学費や医療費は無料。電気代・水道代も首都「ティンプー」以外は無料なんだそうです。
これも一人ひとりの幸福度を上げるための国王の方針なんだとか。
光威
宗教は??
ブータンは仏教国です。
今ある幸せを大切にするという仏教の教えを守っていたからこそ、かつては幸福度が高かったのでしょう。
今は文明に触れ、その教えも廃れつつあるのかもしれません…
光威